最近のカスハラ悪化傾向|土下座・恫喝等から従業員を守る為の規則

最近のカスハラ悪化傾向、従業員を守る対策とは
ちょうひ

最近は顧客や取引先からのカスハラってのが流行ってるらしいぜ

かんう

恫喝や暴言は当たり前で酷いと土下座の強要があるらしい

当たり前のように蔓延化しているカスタマーハラスメント(通称カスハラ

2024年2月~3月の調査でサービス職はなんと35.5%が被害を受けたとの調査結果が出ている

そんなカスハラに対し個人及び企業としてどう対応すれば良いのかまとめた記事となっているので自分の身を守るためにも一度目を通してください

目次

カスタマーハラスメント(カスハラ)該当項目

カスハラ該当項目

まずはどんな行動がカスハラと言わているのか一覧表を見てみましょう

カスハラ該当項目
  1. 暴力など身体的な攻撃
  2. 罵倒・脅迫・恫喝などの精神的な攻撃
  3. 土下座強要
  4. 長時間及びしつこい電話・メール等(確執的行為)
  5. 威圧的行動
  6. 差別的行動(性的含む)
  7. 不退去・居座りなどの拘束的行動
  8. プライバシー侵害・ストーカー行為
  9. 会社に従業員を解雇しろと電話

一覧表にも記載されていないカスハラはあるでしょうが上記内容が実際に従業員に対して行われている現実

冒頭でも記載していますがサービス業は特にカスハラの被害を受けています。例えば当記事は2024年に作成しておりますがタイムリーな話題として同時期にJR東日本がカスハラに対し方針を公表

主なクレーム原因としては電車が遅れた事による内容でしょうが、「バカ」「カス」などの暴言から始まり数分~数十分の拘束が決定してしまいます

試しに例を挙げてみましたがそれだけで精神的な攻撃・拘束的行動に加え大体は威圧的な行動もしてくるはずなので3つのカスハラが該当

こんな事が頻繁に行われたら従業員がうつ病になる可能性や仕事の効率も悪くなるので会社としても絶対に阻止しなくてはならない為、この度方針を公表した事に繋がります

JR東日本の一日利用客数は約50万人

カスハラとクレームの違いとは

要求内容の妥当性はあるかどうか?

簡単に言うとこの一言

例えばレストランで食事を提供する際にオーダーを受け間違えて別の食事を提供してしまった際に苦言を受けたらカスハラでは無くクレームに該当します

レストラン側の不備になるので苦言(要求)内容は妥当となりますよね?カスハラとの違いはここ

但し妥当性はあっても態度や手段が過度に行き過ぎている場合にはカスハラに該当する場合も

カスタマーハラスメント(カスハラ)は何故増えてしまったのか

カスハラは何故増えてしまったのか
カスハラが増えた要因
  • フリーダイヤルやスマホの普及で簡単に苦情を入れやすくなった
  • 皆がやっているから良いという集団心理(SNSやネット記事で事例を容易に確認)
  • 損害賠償が起こされても踏み倒せる事例有り
  • 訴訟までは起こさないと高を括っている

大まかに総括すると皆の知識が簡単に得られる環境が出来てしまった事が原因と思っています

それぞれ詳しく解説すると以下の通り

フリーダイヤルやスマホの普及で簡単に苦情を入れやすくなった

ガラケー自体では正直企業の連絡先を調べるのは画面も小さいし、調べるのは面倒だったはずです

しかしスマホではQRコードがあれば一発で目的のサイトに到達するし、画面も大きくなりPCの検索画面と何ら変わりがありません。更には通話料無料のフリーダイヤルの設置

携帯電話の技術の進化がデメリットになってしまった例

皆がやっているから良いという集団心理(SNSやネット記事で事例を容易に確認)

SNSやネット記事の発達により得られる知識量が増えてしまった事が要因

似たような行動心理学でバンドワゴン効果という心理があります

バンドワゴン効果とは
多数がある選択肢を選択している現象がその選択肢を選択する者を更に増加させる効果

つまりこのバンドワゴン効果により皆やっているから安心という気持ちが生まれてしまうのでカスハラを行ってしまう者が増えてきている

損害賠償が起こされても踏み倒せる事例有り

あまりにも有名になった話題として2ちゃんねる開設者の損害賠償の件

最終的には30億円まで賠償金が上がったと噂になっていますが10年の時効が過ぎ0円になった事から踏み倒しが成功したと皆知り得てしまったのが良くなかった

ちなみに何故踏み倒しが出来たのかはフランスに口座を持っているので差押えが出来なかったからと言われている

普通であれば差押えの強制執行が起こるが、裁判所が個人の財産(銀行口座等)を確認出来ない場合には差押えが行えない

最近言われているマイナンバーを口座と結びつかせようという真の意味は隠し財産を減らす事が目的

例外的に生活保護者の保護費は差押えをする事が出来ない(ややこしいが口座自体は差押えの依頼は可能)

訴訟までは起こさないと高を括っている

例えば一般的な民事裁判を起こした際にかかる期間が平均1年~1年半と言われています(詳細は下記リンクをご覧ください)

1回の裁判が長すぎる!

更に言うと損害賠償の金額が安いのも問題

平成28年6月15日の大阪地裁のカスハラ判決例ですが80万円の賠償請求となりました。それでもこの例は高額の方に該当します

大体は30万円~50万円程度になるので1年以上かけて30万円は割に合わないですよね

訴訟の件数が増え続けても顧問弁護士及び弁護士との連絡を取り合う従業員の負担も増えるだけなので訴訟は起こされないと高を括っている人が多いのも現実

カスタマーハラスメント(カスハラ)対応方法

カスハラ対応方法

企業側の根本的対策として以下2点を遵守させる事

対カスハラ遵守内容

①対応マニュアルの作成及び熟読
②対カスハラの社員研修

自分が従業員ならば対応マニュアルは必ず熟読する事。対応マニュアルには必ず厄介なお客及び取引先に関わる対処法が詳しく書いてあるはず(中身のクオリティーは企業によるが)

実際に僕はカスハラに対する就業規則をつい先日作成しましたが、対応マニュアル作成には以下の事を心掛けました

対応マニュアル作成注意点

①従業員に分かりやすく簡潔に
②対応窓口の設置(各支店責任者・対応部署の記載)
③簡単なQ&Aの受け答え例を記載
④身の危険が伴う緊急性がある場合は警察に通報許可
⑤SNSなどの誹謗中傷に対し弁護士依頼等の記載

特に介護業界の場合は利用者から暴力を受けるという話が多いので④の独自の判断で警察に通報はマニュアル内に必ず記載をした方が良いでしょう

後はサービス業・小売業などは自社ホームページにカスハラに対する方針をJR東日本のように載せた方が良いですね。正直苦情を言ってくる人はそのページを見る事は無いでしょうが従業員が強気の反論を出来る根拠になります(当社方針に従い法的処置を検討している等言い返せる)

カスタマーハラスメント(カスハラ)の対応を企業が誤るとどうなるか

以下の恐れがあるので現在何も対応をされていない方はすぐにでも対応を

カスハラ未対応リスク
  1. 従業員がうつ病になる(休職に繋がる)
  2. 従業員が退職する
  3. 作業効率の低下
  4. 風評被害を放置するので業績悪化に繋がる

一番まずいのは従業員が退職してしまう事。僕自身は1社マニュアルを作る側でしたが会社が何の対応もしてくれないようならば退職はやむを得ないと思っています

勿論言ってくる人の方が悪いのですが企業の幹部の場合は離職を防ぐ為に早急にマニュアルの制定を。個人の方は自分の身を守る為にも対応マニュアルを熟読しましょう

就業規則にカスハラを盛り込む必要有る?

カスハラを就業規則に盛り込む必要性

パワーハラスメントやセクシュアルハラスメント等ハラスメントに対する記載は必須ではあるが、カスハラ単体を盛り込む必要性は今のところ無い。しかし各市区町村により必ず入れるようにと指摘がある場合有り

実際に仕事で2024年4月の出来事だが、千葉県船橋市に就業規則を提出する事があったが2017年に改訂した就業規則だった為カスハラに対する記載をしていなかったので現在のハラスメント対策にそぐわないと指摘をされてしまいました

その経緯がありカスハラの規定を定めた訳ですがサービス業で35.5%の方が被害を受けたと言われているので何れは必ず就業規則に入れなさいと言われる世の中が来るかと

まとめ

カスタマーハラスメント(カスハラ)対策まとめ
  • カスハラは身体的攻撃、精神的攻撃、拘束的行為など様々な行為を指す
  • カスハラとクレームの違いは要求内容の妥当性があるか
  • カスハラは知識が得られる環境が揃ったせいで増えてしまった
  • 1回の裁判期間及び金額が少額なのも問題
  • カスハラ対策としてマニュアルの制定、熟読は必ず行う事

カスハラは今現在サービス業や小売業で非常に迷惑を被っているハラスメントですが、会社も規定を制定するだけで多少は従業員の負担を軽くする事が出来るのですぐにでも取り掛かった方が良いです

個人的にはインターネット上の誹謗中傷も増えている世の中なので、訴訟の簡易化及び賠償金の増加を法改正したらカスハラは大分減るのではないかと思っています

言った物勝ちという世の中は間違っているので国も慎重且つ迅速に法改正を行って貰いたいですね

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