家庭菜園を始めたいがまずは何をすれば良いか分からない・・
そんな方!まずは一番始めの確認として土壌pH(ペーハー)を測定する必要があります。土壌pHには専用の道具が必要ですが数値により出来る作物が違うので、自分の畑の土壌pHを知ろう!
以下を読み進めpHを知る事が家庭菜園のコツです
土壌pH(ペーハー)とは
土壌pHとは土の酸性やアルカリ性の度合いを示す数値の事で7.0が中性となる。細かな詳細は以下の表の通り
6.9以下:酸性
7.0:中性
7.1以上:アルカリ性
土壌pHは0.1単位でキッチリと調整しないと駄目という事は無く、0.5単位で作物の適正pHが発表されています。個人的に色々と試した結果適正pHから0.2など多少ずれていても普通に作物は出来るので安心してください
更に大体の作物はpHを6.0~6.5にすれば問題ありません
但しジャガイモなどは適正pHが5.0~6.0を好むので物によってはより酸性に傾けなければ行けない
日本の土壌は初めて手を入れる場合、大体は酸性に傾いている事が多いです(pH6.0前後)
理由としては以下2つのせい
主な原因として酸性雨が挙げられておりpH5.6以下の雨が酸性雨扱いになります。20年前と比べたら大分解消はされている地域が多いようですが未だ5.6を下回っている事が多いようです
上記リンクは札幌市を参考にしておりますが直近10年ではpH4.8~5.3の数値を推移
では何故雨が土壌の酸性化に影響があるというとアルカリ分を追いやって水素イオンを生み出す為。よって雨が降れば降る程土壌が酸性に傾く訳です
もう一つの理由の植物のイオン交換は簡単にまとめると植物の生育の過程で水素イオンを生み出すのが原因。細かくは以下の通り
塩基飽和度とpH(土壌の酸性度)は(図3)に示すような相関があり、pHが高いほど塩基飽和度も高い値を示し、pHが低いほど塩基飽和度が低くなります。
作物は根から養分である陽イオンを吸収する際に、根から水素イオン(H+)を放出します。その結果、土壌中の水素イオン濃度が増加し、酸性化します(図4)。土壌分析でpHから養分の吸着割合が推定できるのはこのためです。
しかし、ハウス土壌などでは、土壌pHが塩基飽和度を反映しない場合もあり、EC(電気伝導度)も測定し、併せて判断しなければなりません
YANMAR 塩基飽和度とpHの関係より
つまりは酸性雨と雑草他植物の影響で基本的に土壌が酸性になっている訳ですね
土壌pH(ペーハー)の測定方法
測定する為には以下の道具を揃える必要有り
①pH測定器
②バケツ1杯の水
③シャベル
④ジョウロ
①のpH測定器は大体1,000円前後で購入が可能
土壌pHを測るだけなら上記安物でも十分ですが正確性・多機能を求めるなら値段が2倍程になりますが以下の商品がオススメです
では早速段階に分けて測定方法を説明して行きましょう!
土壌の事前整備
まずは測定する土壌の雑草を除去
この土地を畑としてそのまま利用するのならば目に見える石も除去しましょう。ちなみに雑草の根は完全に取り切らなくても問題ありません。普通に作物は育ちます
測定用の土づくり
①ジョウロで軽く水をかけ水たまりの状態を作る
②シャベルで土を混ぜる(泥団子を作るようにイメージ)
③泥団子が作れる状態の土壌にする(ここまでで大体バケツ1杯分の水を使用)
ちなみに使用したシャベル・ジョウロは僕は大きいサイズを利用していますが小さいサイズでも全く問題ありません
土壌pHの測定
①土壌測定器の準備(先端部分が汚れている場合には紙やすりで軽く磨く事)
何も指していない状態なので中性値の7.0を示しています(若干左に針が振れているような気がしますが気のせいです!)
②土づくりをした土壌に垂直に測定器を指し込む(銀の測定棒部分を全て土に入れる必要は無い)
③数分後数値を読み取る(機器によって測定時間は違います。早い物は1分後に測定可能)
針の位置を見ると大体pHは6.6又は6.7辺りでしょう。仮にこの土壌にこのまま作物を植えるとしたら適正pHが6.5~7.0と言われているほうれん草(デジタル計を使用すれば正確な数値が分かる)
しかし作物を育てるには栄養素がこのままだと全く足りていないので苦土石灰及び堆肥は混ぜる事になるのでpHはもう少し上昇するはず
以上の手順でpH測定は完了です
自分の育てたい作物によって今後pHを調整しなければ行けませんね
土壌pH(ペーハー)ごとに適した作物
そもそも家庭菜園を始めようとお考えの方は大体最初は○○を育ててみたいとイメージを持っています(僕の場合はキュウリでした)
まずは下記の一覧表を見て自分が育てたい作物のpHを確認しましょう。そして土地やプランターに余裕があれば追加でもう一つ何か作ってみる感じで良いと思います
pH範囲 | 根菜 | 果菜 | 葉菜 |
---|---|---|---|
6.5~7.0 | えんどう豆 ほうれん草 | ||
6.0~6.5 | 里芋 山芋 コンニャク | キュウリ トマト(ミニトマト) 茄子 南瓜 西瓜 ピーマン インゲン 枝豆 唐辛子 オクラ 空豆 メロン かんぴょう 落花生 スイートコーン | レタス サニーレタス アスパラガス カリフラワー ブロッコリー 春菊 ミョウガ ネギ セロリ ニラ 高菜 なばな 白菜 パセリ モロヘイヤ 三つ葉 ウド |
5.5~6.5 | 牛蒡 玉ねぎ 大根 かぶ(小かぶ) 人参 蓮根 | イチゴ | キャベツ チンゲン菜 小松菜 サラダ菜 フキ |
5.5~6.0 | にんにく 生姜 ラッキョウ | ||
5.0~6.0 | ジャガイモ |
個人的に初心者にオススメする作物はキュウリとミニトマト辺りですね
特にキュウリは水を多めに与えて追肥(作物が大きくなるにつれ肥料を追加で投入)をやれば立派なキュウリがいくつも出来るのでお手軽
まとめ
・土壌pH測定には専用の測定器、水、シャベル、ジョウロが必要
・日本の土壌は酸性雨と植物のイオン交換により酸性に傾いている
・苦土石灰(石灰)を撒くと土壌がアルカリ性寄りになる
・まずは自分が育てたい作物を育てよう!
畑にしようとしている土地の土壌pHを知る事は作物を育てる上で必須な知識です
自分が育てようとしている作物の適正pHを目指して苦土石灰を撒き、土づくりをしましょう!
自分で育てた野菜はスーパーなどで購入した野菜より手間暇かけているので美味しく感じるはずですよ
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